» 2014/03/26/
Geen・あわわfree2014年4月号で掲載した「マネーコラム」をWEBアップします。
住宅ローンの常識では、借入したお金は早く返したほうがいいと言われます。目的は将来に多くお金を残すためです。繰上返済をすることで、住宅ローンを支払う年数が短くなり、結果、余分な住宅ローンの利息を払わずに済むということで、早く返しましょうというアドバイスがよくされています。
しかし、将来より多くのお金を残すという目的で考えたときに、住宅ローンの繰上返済が一番よい選択肢かどうかを考える必要があります。
例えば、あなたが借りた住宅ローンの金利が2%だったとします。そして、あなたが100万円を貯めて繰上返済したとします。100万円を金利2%の住宅ローンに入れるということは、厳密に言えば違いますが、2%の金利でお金を運用することと同じ効果があると言えます。
でもこの100万円を、例えば3%や5%の利回りで運用できる投資信託や投資商品に回せば、やはりこちらのほうが将来のお金は残せることになるわけです。
例えば、2,000万円を金利2%、30年返済で借りておいて5年後に繰上返済をすると住宅ローンの利息を約62万円節約できます。では、同じ100万円を3%で25年間運用したらどうなるでしょうか?増える利子は約110万円になります。同じ100万円でも、どこにお金を投入するかで得られる効果が変わってしまいます。
住宅ローンの繰上返済をする目的は何なのかということについて考えてください。そしてその目的を達成するためには、繰上返済が一番いい選択肢なのかどうかということをよく考える必要があるのです。
人によっては、どうしても借金をしているのが嫌だ、気持ち悪くして仕方がないという方もいるでしょう。そのような場合には繰上返済も検討するべきかもしれません。しかし、繰上返済をする目的が、将来自分の老後によりたくさんお金を残したいということであれば、繰上返済は必ずしも一番よい選択肢ではないということです。
次号予告
「問題ない住宅ローンの借入額に対する究極の答えとは?」