建てようネット[徳島]で建てた家

建築家と素敵な家づくり

祝 124棟目 K邸『雑木林のいえ』


祝124棟目 建てようネットで建てた家

石井町・K邸

雑木林のいえ

建築家・内野輝明+島出建築事務所

ゆるやかな中間領域が、四季の風景を屋内に取り込む「雑木林のいえ」。

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広い土地を活かし、快適な暮らしを約束する平屋建ての住まいを設計。北側に採用した黒い壁面が、県産材の杉をふんだんに使ったナチュラルな外観を際立たせている。夜のとばりが下りた後には、木のやわらかさをまとった光が屋外へと漏れ、美しいシルエットを浮かび上がらせる。

広い土地を活かし、快適な暮らしを約束する平屋建ての住まいを設計。北側に採用した黒い壁面が、県産材の杉をふんだんに使ったナチュラルな外観を際立たせている。夜のとばりが下りた後には、木のやわらかさをまとった光が屋外へと漏れ、美しいシルエットを浮かび上がらせる。

敷居が高かった建築家との面談も驚くほどスムーズに進行

 いつの日か、建築家が建てた家に住みたい。そんな夢を持っていたKさんご家族は、ある日、友人宅の近くに一軒のお洒落な家を発見。何とか頼み込んで見学をさせてもらったところ、そこのお宅が『建てようネット』を利用していたことが分かりました。

 「たくさんの建築家さんのお話を聞くとなると、敷居が高くて、なかなか行動に移せなかったんです。『建てようネット』では、私たちの要望に合わせて建築家を絞り込んでくださり、アポ取りやスケジュール調整までお世話をしてくれたので本当に助かりました」。

 実は、当初から建築家の内野さんに目を付けていたというKさん。今回、『建てようネット』がセッティングを行った面談リストの中にも、もちろん内野さんの名前が含まれていました。

 「どの建築家さんも本当に素晴らしかったのですが、内野さんとすごくフィーリングが合ったんです。しっかりと納得して、家づくりを任せる建築家さんを選ぶことができたのも、建てようネットのお陰ですね」とご夫婦は顔をほころばせます。

役割を持たせた空間設計により施主から出された3つのテーマを実現

 建築家との家づくりをスタートさせるにあたり、最初にご夫婦から出されたテーマが3つありました。「平屋」「雑木林」そして「餅投げ」です。

 「幸い広い土地が確保できたので、生まれて初めての平屋に住んでみたかった。また、私の実家にも緑豊かな庭があるのですが、新居にも豊かな自然をたくさん取り入れたかったんです」と奥様は言います。

 そんな施主の願いを高いレベルで実現するために、内野さんが取り入れたのが「サーブド・スペース、サーバント・スペース」という考え方です。

 これはフランスの建築家、ルイス・カーンが提唱したもの。生活の中心となるスペースと、生活をサポートするスペースを分けることで、その機能性を最大限に高めようとするものです。その考え通り、K邸は家の北側に水回りや個室を配置し、南側に家族が集う開放的なスペースを確保。廊下を廃することにより、すべての空間が一つにつながる開放的な間取りを実現しました。

念願だった建築家との家づくり。家族と味わう贅沢な時間がそこに

 いつも家族の笑い声が聞こえるリビングや和室には、ガラス張りの大きな窓を採用。庭に植えられた雑木林の風景を、屋内へと巧みに取り込んでいます。また、外と内の境界線をゆるやかにつなげるために縁側を設置。「子どもと縁側に座り、夕日を見ながら夕飯を食べたりしています」と奥様も満足そうです。

 「棟上げの時には、家族そろって念願のお餅投げも体験することができました。当日は地域の方々もたくさん集まってくださり、一生の思い出を作ることができました。すべての願いを叶えてくれた内野さんには、心から感謝しています」とKさん。優しい杉の香りと、雑木林の風景に包まれながら、今日も贅沢な時間を過ごしていることでしょう。

LDK、応接室、和室が一直線につながる南側のスペース。北側に個室を集めることで、家族が集う南側の空間を、より機能的に仕上げた。高さに変化を持たせた照明が、モダンな味わいを加えている。

LDK、応接室、和室が一直線につながる南側のスペース。北側に個室を集めることで、家族が集う南側の空間を、より機能的に仕上げた。高さに変化を持たせた照明が、モダンな味わいを加えている。

東側に設けられた日当たりの良い和室。4枚の引込戸によって空間を仕切ることで、プライバシーに配慮した客間として使用することが可能。

東側に設けられた日当たりの良い和室。4枚の引込戸によって空間を仕切ることで、プライバシーに配慮した客間として使用することが可能。

家の西側に設けたリビング・ダイニング。南と西の2方向に取り付けたガラス張りの窓の向こうに、季節感あふれる雑木林の風景が広がる。キッチンには、鮮やかなブルーが印象的な、作り付けの手元隠しを設置。

家の西側に設けたリビング・ダイニング。南と西の2方向に取り付けたガラス張りの窓の向こうに、季節感あふれる雑木林の風景が広がる。キッチンには、鮮やかなブルーが印象的な、作り付けの手元隠しを設置。

ロフトへと続く階段。格子の床を用いることで、明るい光を北側の個室へと届けている。

ロフトへと続く階段。格子の床を用いることで、明るい光を北側の個室へと届けている。

杉材のやさしい香りが漂う、ご夫婦の主寝室。高低差を付けた窓が室内に風を運ぶため、夏場もエアコンはほとんど使わないそう。

杉材のやさしい香りが漂う、ご夫婦の主寝室。高低差を付けた窓が室内に風を運ぶため、夏場もエアコンはほとんど使わないそう。

リビングの北側に設けられた子ども部屋。主寝室とつながる廊下の両サイドは、ウォークスルー・クローゼットや、作り付けの収納スペースを設置。

リビングの北側に設けられた子ども部屋。主寝室とつながる廊下の両サイドは、ウォークスルー・クローゼットや、作り付けの収納スペースを設置。

作り付けの収納や蓄熱暖房機が備えられた応接室。正面の階段は、広々としたロフトへと続く。上部に設けた開口部が開放感をさらに高めている。

作り付けの収納や蓄熱暖房機が備えられた応接室。正面の階段は、広々としたロフトへと続く。上部に設けた開口部が開放感をさらに高めている。

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大人もゆったりと過ごせる、広々としたロフトスペース。シンプルな障子の建具が、落ち着きのある和のテイストを醸し出している。

大人もゆったりと過ごせる、広々としたロフトスペース。シンプルな障子の建具が、落ち着きのある和のテイストを醸し出している。

ロフトへと続く階段を上ると、正面にガラス張りの大きな窓が出現。奥さんや子どもさんは、よくここに寝っ転がり、青空や星空を見るという。

ロフトへと続く階段を上ると、正面にガラス張りの大きな窓が出現。奥さんや子どもさんは、よくここに寝っ転がり、青空や星空を見るという。

よく見ると、玄関のサンには「七十七」の文字が。施主の名字(略字)の一部を、家のシンボルとして取り入れたもの。

よく見ると、玄関のサンには「七十七」の文字が。施主の名字(略字)の一部を、家のシンボルとして取り入れたもの。

住まいへの愛着を深めるため、水回りの洗面台にはご家族と選んだ「大谷焼」を使用。奥には、何かと便利な作業スペースも設けられている。

住まいへの愛着を深めるため、水回りの洗面台にはご家族と選んだ「大谷焼」を使用。奥には、何かと便利な作業スペースも設けられている。

生命力あふれる雑木に囲まれた家屋。木々が成長するにつれて、庭も住まいも、より豊かな環境へと変化していく。

生命力あふれる雑木に囲まれた家屋。木々が成長するにつれて、庭も住まいも、より豊かな環境へと変化していく。

3つのテーマのうちのひとつ「餅投げ」は上棟式の時に。大勢のご近所の方々が参加し、Kさんの念願が叶いました。

3つのテーマのうちのひとつ「餅投げ」は上棟式の時に。大勢のご近所の方々が参加し、Kさんの念願が叶いました。

Kさんの夢を叶えた建築家[建築家] 内野輝明さん

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設計コンセプト

「施主から要望として出された「雑木林」というキーワードをもとに、庭の木々に包まれた住まいを設計。外から見ると、まるで雑木林の中に家が浮かんでいるようなイメージを具現化した。個室や水回りなどを北側に集中させ、家族が集う広々としたスペースを南側に確保。県産材をふんだんに用い、光や風通しにこだわることで、心から安らげる空間づくりを実現している」

建築データ

■家族構成

施主(39歳)、妻(39歳)、子供1人(5歳)

■構造

木造2階建て

■工法

木造在来工法

■敷地面積

445㎡(約134坪)

■延床面積

合計 140㎡(約42坪)

1階 115㎡(約34.5坪)

2階 25㎡(約7.5坪)

■スケジュール

設計期間 2012年10月~2013年6月

工事期間 2013年8月~2014年3月

■設計監理

内野設計

■施工

島出建築事務所

1月号平面図画像

K邸間取り

1 玄関

2 下足室

3 ホール

4 居間

5 和室

6 食堂

7 台所

8 こども室

9 クローゼット

10 寝室

11 洗面室

12 脱衣室

13 風呂

14 納戸

15 階段室

16 濡れ縁