建てようネット[徳島]で建てた家

建築家と素敵な家づくり

祝 127棟目 O邸 『2013kayano』


祝127棟目 建てようネットで建てた家

板野町・O邸

2013kayano

建築家・中野次郎+アップルハウス

シンプルなデザインと、

深みのある空間を併せ持つ「土間のある家」。

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白を基調としたシンプルなデザインが美しい外観。東側に設けた打ちっ放しの壁が、見た目にも美しい境界線として機能。

白を基調としたシンプルなデザインが美しい外観。東側に設けた打ちっ放しの壁が、見た目にも美しい境界線として機能。

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南側には、母親の念願だった家庭菜園用の畑を設けた。全面ガラス張りのリビングやベッドルームに、豊かな実りの風景を届けている。

南側には、母親の念願だった家庭菜園用の畑を設けた。全面ガラス張りのリビングやベッドルームに、豊かな実りの風景を届けている。

豊かさの「本質」を見極めるため

100項目にも及ぶアンケートを実施

 

 足の悪くなった母親とともに、いつまでも心豊かに暮らせる住まいをつくりたい。Oさんが家づくりを決意したのは、そんな思いからでした。

 「以前から建築家との家づくりに憧れを持っていましたが、限られた予算の中で、自分たちの要望を叶えてくれる方が本当にいるのかと不安でした。そこで思い切って、母と一緒に『建てようネット』を訪ねたんです。どんな質問にも丁寧に答えていただき、すぐに何人かの建築家の方と面談できるようセッティングしてくださいました」。

 個性あふれる建築家たちと話を重ねる中で、Oさんがパートナーに選んだのは中野次郎さん。具体的な設計に取りかかる前に行われたのが、これから始まる家づくりの本質を見極める作業でした。

 「家族が本当に豊かに暮らすためには何が必要なのか見極め、それを形にするのが僕の仕事。だから『どんな家がいいですか?』と施主に直接聞くことはありません」と中野さん。入念な打ち合わせや100項目に及ぶアンケートなどを通じ、親子が幸せに暮らすための設計コンセプトが導き出されました。

それぞれの空間を丁寧に重ねていくことで

機能的で深みのある空間が生まれる

 

 住まいの設計コンセプトとして中野さんが導きだしたのが、シンプルな中にも深みを感じられる空間づくり。玄関のドアを空けると、間口いっぱいに広がる土間が現れ、その先にはリビングとキッチンが一つの生活空間として、ゆるやかな境界でつながります。

 特に印象的なのが、リビングの南側に設けられた全面ガラス張りの開口部。それを可能にしたのが、中野さん自らが考案した設計方法です。

 「あえて窓の内側に柱と筋交いを取り付けることで、本来は壁面となるべき部分を開放的に仕上げました。リビングは常に明るい光で満たされ、お母さんの念願だった家庭菜園の風景も楽しむことができます」。

 さらに、西側の壁一面を収納とすることで、わずかに設けられた廊下までもが機能的なスペースへと変身。親子それぞれに設けられた部屋の扉を開けると、廊下も部屋の一部になるよう工夫されています。

 「延床面積がわずか22坪ほどの住まいなのに、どこにいても開放的で居心地がいいんです。平屋なので生活もしやすく、母もすごく満足しています」と、Oさんも予想を上回る仕上がりに大満足。ゆったりと流れる時間が、今日も2人を笑顔で包んでいます。

 暮らしの中心となるLDKは、驚くほど開放的。玄関、土間、リビング、キッチンなどの役割を機能的に重ねていくことで、シンプルながらも深みのある空間が生まれる。

暮らしの中心となるLDKは、驚くほど開放的。玄関、土間、リビング、キッチンなどの役割を機能的に重ねていくことで、シンプルながらも深みのある空間が生まれる。

玄関のドアは、母親の移動にも便利な引き戸を採用。軒天やインターホン周りに施された淡いカラーが、住まいの表情のアクセントに。

玄関のドアは、母親の移動にも便利な引き戸を採用。軒天やインターホン周りに施された淡いカラーが、住まいの表情のアクセントに。

西側の壁を収納スペースとするなど、無駄をそぎ落とした間取りを追求。この家に「ただの廊下」と呼べるスペースはほとんどない。

西側の壁を収納スペースとするなど、無駄をそぎ落とした間取りを追求。この家に「ただの廊下」と呼べるスペースはほとんどない。

南側には、親子それぞれの部屋を設置。ドアを開放すると、廊下も部屋の一部として使うことができる。

南側には、親子それぞれの部屋を設置。ドアを開放すると、廊下も部屋の一部として使うことができる。

開口部の内側に柱や筋交いを設けることで、本来は壁面となるスペースをガラス張りにすることが可能。

開口部の内側に柱や筋交いを設けることで、本来は壁面となるスペースをガラス張りにすることが可能。

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リビングとキッチンを仕切る作業台が、二つの空間をゆるやかに連結。北側には水回りを設置するなど、家事動線にも配慮がなされている。

リビングとキッチンを仕切る作業台が、二つの空間をゆるやかに連結。北側には水回りを設置するなど、家事動線にも配慮がなされている。

斜めに切れ込んだ土間のラインは、屋内外の空間を緩やかに結ぶという視覚的な効果を狙ったもの。ディテールの積み重ねが、深みのある空間づくりへとつながっていく。

斜めに切れ込んだ土間のラインは、屋内外の空間を緩やかに結ぶという視覚的な効果を狙ったもの。ディテールの積み重ねが、深みのある空間づくりへとつながっていく。

土間のセンターに設けられた作り付けの棚。玄関からの目隠しとしてだけでなく、施主の趣味やセンスを活かすスペースとしても活用できる。

土間のセンターに設けられた作り付けの棚。玄関からの目隠しとしてだけでなく、施主の趣味やセンスを活かすスペースとしても活用できる。

作り付けのシンプルなキッチン台は、台所というよりも「お洒落なリビングの一部」として機能している。

作り付けのシンプルなキッチン台は、台所というよりも「お洒落なリビングの一部」として機能している。

Oさんの夢を叶えた建築家

[建築家]中野次郎さん

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設計コンセプト

「2人で暮らす、土間のある家。間口いっぱいの土間とLDKを中心に、南北に個室と水回りを配置。アプローチからリビングへと続く土間と、庭に面する南と東に設けた窓は、視覚的な広さに加え、季節ごとに移りかわる太陽の光や風を存分に楽しめる空間をもたらし、住まいにゆとりを感じさせる重要な要素となっている」

建築データ

■家族構成

施主、母

■構造

木造1階建て

■工法

木造在来工法

■敷地面積

218.98㎡(約66坪)

■延床面積

合計 73.2㎡(約22坪)

1階 73.2㎡(約22坪)

■スケジュール

設計期間 2013年3月~2013年7月

工事期間 2013年9月~2014年3月

■設計監理

ナカノジロウ建築デザイン事務所

■施工

アップルハウス

O邸間取り

1 玄関

2 リビングダイニング

3 個室

4 キッチン

5 トイレ

6 風呂

7 収納

4月号間取り