» 2019/05/23/
1人で暮らす家を建築家に依頼する。それはとても贅沢なことだ。板野郡に建てられた『YKH1204 – コートを持つ平屋』は、独身生活を謳歌する趣味人の施主のため、伊月さんが設計した住まいである。
このO邸は『RYH1501- 森の背骨』と名づけられたY邸同様、伊月さんとサーフィンという共通の趣味でつながった施主からの依頼。普段からの付き合いで、性格や趣味がわかっているだけに、プランづくりも特に問題なく進んだという。
「敷地が幹線道路に面していたため、視線を避ける意味からも、思いきって正面を閉じる設計にしました。小さな中庭を中心とした口の字型にすべての部屋を配置することで、圧迫感を解消しています」。
玄関横にはサーフボードやアウトドア用品などを収納するシンクを備えた広い納戸を備えているほか、服を愛する施主のために大型のウォークインクローゼットを設置。住まい全体を暖める薪ストーブ、中庭からの自然の光を感じながら作業ができるPCスペースなど、まさしく男の夢を実現した平家だとい
えるだろう。
「外観は屋根から壁まで黒のガルバリウム鋼板を使い、硬派なイメージの建物にしました。対照的に内部は白を基調にした柔らかさを感じられる空間に統一しています」。
一歩、足を踏み入れると、想像以上に中は広く、快適に感じられるというO邸。まるで秘密基地を思わせる建物だが、その住みやすさは、家族が増えても変わらないよう、細やかに配慮されている。
設計コンセプト
「敷地は徳島県北部ののどかな郊外に位置するが、県を東西に横断する幹線道路沿いにあり車の往来は激しい場所である。道路以外は田園風景が広がる環境なので正面を閉じ中庭と裏(南東方角)に開く平屋として計画した。内部空間は全ての室が中庭に面するロの字型とし、どこにいても家族の気配が感じられるようになっている。中庭は光・風・雨といった自然現象を肌に感じながら昼夜を問わず住居の続き、また一部として使用される一番気持ちの良い空間となっている」( 伊月)
建築データ
■ 構造 : 木造
■ 工法 : 在来軸組工法
■ 敷地面積 : 292.87m2( 約88.59坪)
■ 延床面積 : 合計 137.18m2( 約41.49坪)1階 137.18m2( 約41.49坪)
■ スケジュール :
設計期間 2011年5月~2011年10月
施工期間 2011年11月~2012年4月
■ 設計監理 : moon at.
■ 施工 : 島出建築事務所
O邸間取り
① ポーチ
② 玄関
③ 納戸
④ 寝室
⑤ ウオークインクローゼット
⑥ PCスペース
⑦ 子供室
⑧ 脱衣洗面室
⑨ 浴室
⑩ WC
⑪ ダイニングキッチン
⑫ リビング
⑬ 中庭
⑭ 物干場
【情報掲載日/2016年11月25日】
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