建築家と素敵な家づくり

▲「落ち着いた気持ちの良い家と、趣味の園芸を楽しめる
庭が欲しい」というH夫妻の要望通りに、“昔ながらの
”風情を感じさせる。庭いじりが趣味だというご夫婦は
今後、庭木としてサザンカを、緑のカーテンとして
ヘチマを植える予定だとか。
気持ち良く暮らすために。
極上の自然素材をふんだんに
使った八万の家
野々瀬さんへの依頼は、自宅の佇まいへの一目惚れだった!?
「建築家っていうのは、違う世界に住んでいる人のことだと思っていました」と奥様が言うように、Hさんは当初、建築家に依頼する気は全くなかったそうです。しかし、いろんな住宅関連の雑誌や住宅展示場を見て回り情報収集しているうちに、「作り手のコンセプトを感じられて、古くなっていくのを楽しめるような風情ある家に住んでみたい」との思いが強く芽生えました。
そんな思いを持ったご夫婦が、実際に面談する前から気になっていた建築家が野々瀬さん。なんでも、事務所のホームページに掲載されている野々瀬さんの自宅の佇まいに一目惚れしたそうです。「『建てようネット』でもっと野々瀬さんの作品を見たかったんですが…数が少なかったんですよね。少し残念でしたけど(笑)、実際にお会いしたら違う世界の人なんかじゃなくて、すごく気さくで、どっしりしていて、なんでも相談できる雰囲気に惹かれました」と、2人が惚れたその目に間違いがないと確信できたところで、設計を依頼することになったのです。
ちなみに、野々瀬さん曰く「『建てようネット』のライブラリーには、時間を見て作品集を増やしていきますので…(苦笑)」とのことですので、ご期待ください。
野々瀬さんは言わば、住まいづくりにおける杉使いの先駆者
Hさんご夫婦からのオーダーは、“長く、気持ち良く住める”がキーワードでした。当初はコンクリート打ち放しのような雰囲気も構想にありましたが、このキーワードを重視した結果、「なるべく石油製品を使わない家にする」という基本的な考えが決定。建材にはすべて木頭村で育った杉の木を、壁や天井には漆喰と珪藻土を使って、クロス張りはしない。それを徹底したおかげで、豊かな自然の香りに包まれた住まいが完成しました。
実は野々瀬さんは、杉の木が建材として注目される以前の30年ほど前からその特性に注目し、家づくりに積極的に採用してきた、いわば先駆者でもあります。さらに、杉の中でも天然乾燥によって加工されたものだけを使用。これは、主に関東地方へ流通するもので、徳島でもなかなかお目にかかれない代物です。「木を伐採して倒し、枝葉がついた状態でそのまま乾燥させる“葉枯らし”という方法で乾燥させた木頭杉を使っています。自然の力でじっくり乾燥させると水分だけが程よく抜けて、樹脂をそのまま残せるのが特徴。強度が得られるだけでなく、無塗装でも、樹脂の作用によって住むほどにアメ色の良い雰囲気になっていく。何十年も住み継いでいくことを考えれば、この木を使うのがベストだと思っています」と、野々瀬さん。
随所に巧みの技が施されているのも、建築家に依頼した賜物
さらには、随所に大工による手刻み加工が施され、目に見えるところには鉋(カンナ)をかけ…と、熟練の技が施されています。これらの細かな指示は、言ってみれば少し面倒な手間ではあるのですが、施工会社や大工などとの折衝を行うのも、実は建築家の大事な仕事の一つ。『建てようネット』が建て主と建築家をつなぐパイプ役であるならば、建築家は建て主と施工に関わる様々な業種の人とをつないでいるのです。
Hさんご夫婦もその仕事ぶりを目の当たりにしたそう。「経過が気になって建築現場に何度か足を運んだんですけど、だいたい野々瀬さんがいらっしゃって、現場の方と何か話をしているんです。“こんなに頻繁に来るんだ”とビックリしたと同時に、すごい安心感を感じましたね。こうして気持ち良く暮らせているのも、野々瀬さんにお願いしたからなんだって、今、実感しているところです」。


▲ダイニングは杉板張りで、リビングは畳張り。
障子の向こうは庭になるのだが、濡れ縁、内縁という
ある意味“ファジー”な空間を設けることで、
和の邸宅ならではの風情あふれる心地良さを実現。
ちなみに1Fの床は、厚さ30mmの杉板が2枚重ねて
使うことで、断熱材なしでも十分な断熱効果を得ている。

▲玄関を抜けて左手に進むとリビングダイニング、
すぐ右手には納戸という名のご主人の趣味の部屋。
サーフィンが趣味というご主人のために、
帰宅してすぐに荷物を収納できるように設計された。

▲部屋でも、廊下でもない。広すぎず、
そして狭すぎない。絶妙な感覚で設計された
内縁では、晴れの日には
ひなたぼっこをするも良し、
雨の日には滴る雨粒を眺めるも良し。

▲流行のオープンタイプではなく、ダイニングと
キッチンをあえて独立させたのは、“昔ながら”へのこだわりから。
キッチン内部は、例えば電子レンジは膝丈くらいの
高さに置くなど、奥様のこだわりが反映されている。

▲玄関脇に設えられた納戸。現在は、サーフィンや釣りが
趣味というご主人の、サーフボードや釣竿をはじめとした
たくさんのモノであふれかえっているとか。

▲3部屋ある子ども部屋はそれぞれ4.5畳とそれほど
広くはないものの、高くとられた天井のおかげで圧迫感はなく、
伸び伸びと過ごすことができる。


▲階段の上にトップライトとなる天窓を設置したおかげで、
日中は燦々と光が差し込む。暗くなりがちな階段だが、
工夫ひとつで昇り降りがおっくうにならなくなる。

▲主寝室と子ども部屋とをつなげるベランダの上には、
屋根から続く庇を設置。直接的ではなく、
柔らかな光を取り込むのは、和の邸宅ならではの意匠だ。

▲ふとん派という夫妻の主寝室は和室。
南側からの十分な採光を可能にした大きな窓の他、
北側にも小窓を設けることによって通気性も確保されている。

▲主寝室から続く3畳のウォークインクローゼット。
床と壁は杉板張り、天井は漆喰塗りになっているため
湿度管理もでき、衣服の保存に最適の環境を実現している。


子ども部屋はそれほど広くない分、約1間のクローゼットを設置して、
十分な収納スペースを確保。壁は杉板と珪藻土。
もし傷や汚れが付いたとしても、クロス張りでは汚くなるだけだが、
自然素材の場合はそれ自体を“味”として長く楽しめる。
Hさんの夢を叶えた建築家/建築家・野々瀬徹
「『落ち着いた気持ちのよい家と、
子供が走り回れ趣味の園芸を楽しめる庭が欲しい』
とのご要望でしたので、和リビングとダイニングが縁を通じて
庭に開放するシンプルな構成の家とし、庭を広く取りました。
素材が呼吸する木頭杉の天然乾燥材と漆喰、珪藻土を使い、
生活のシーンをフレキシブルにやわらかく包むような和の家を目指しました」
建築データ
■家族構成
施主(33歳)、妻(34歳)、子ども2人(4歳・2歳)
■構造
木造2階建て
■工法
在来軸組工法
■敷地面積
210.69㎡(約63.7坪)
■延床面積
合計 163.69㎡(約49.6坪)
1階 79.42㎡(約24坪)
2階 72.2㎡(約21.9坪)
車庫 12.07㎡(約3.7坪)
■スケジュール
設計期間 2011年10月~2012年3月
工事期間 2012年5月~2013年1月
■設計監理
野々瀬建築都市設計事務所
■施工
姫野組






































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