建てようネット[徳島]で建てた家

建築家と素敵な家づくり

祝 107棟目 『2012 5 s 住宅』


祝 107棟目



建てようネットで


建てた家

建築家・久住高弘司工務店

徳島市・S邸

2012 5 s 住宅

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リビングのある北棟(右側)と寝室と和室のある南棟(左側)は、
奥にある廊下でつながっている。

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南棟2Fの寝室から中庭を望む。
シンボルツリーのヤマボウシが四季のうつろいを楽しませてくれる。

心地良い時間がゆるやかに流れる、

人に優しい光のある生活



人間らしい生活のために、光を絶妙にコントロール
 S邸の最大の特長は、計算され尽くした光。
南側に2階建ての棟があるため、
「北棟のリビング・ダイニングへの日光を遮ってしまうのでは?」と
疑問に思ってしまいますが、決してそうではありません。
建物自体がコの字型になっているため、
午前中から日没までは大きな窓から絶妙に太陽光を取り入れられます。
日没後には、暖色の白熱灯を調光し、
シーンに合わせた光量で住空間を素敵に演出。
建築家の久住さん曰く、「日々の暮らしの中で、光は本当に大切。
ですが、ただ明るいだけが良いわけではありません。
朝には朝の、昼には昼の、そして夜には夜の、適切な明るさがあるわけで、
光量をコントロールしながら生活することで、生体のリズムが整えられるんです」。

 谷崎潤一郎の随筆「陰翳礼讃」でも語られている、
「陰翳を認め、それを利用することで、
陰翳の中でこそ生える芸術を作り上げたのであり、
それこそが日本古来の芸術の特徴」という考えを基軸とした、
久住さんが考える“人に優しい光のある生活”が、S邸には息づいているのです。

『建てようネット』のメリットは、建築家との相性が図れること
 そもそも、長年の夢であった「自分らしい家づくり」を実現するにあたり、
インターネットや雑誌などで情報収集を行ったSさん。
それらと並行して友人が建てられた新築のお宅拝見などを重ねるうちに
「久住さんにお願いしたい」という思いが芽生えたそうです。
一方、「でも、他の建築家の方の作品も見てみたい」という思いも生じたことから
『建てようネット』に依頼することになったそう。
「何人かの建築家の方とお話ししましたが、
結局、第一印象から良かった久住さんにお願いすることに。
何より、“物を置かずにすっきり暮らしたい”という私の理想が、
久住先生のモダンでシンプルなスタイルに共感したんです」。

設計の提案だけではなく、住まい方の提案も
 結論から言えば、Sさんの要望通りの
シンプルでモダンな家が完成したわけですが、
久住さんからの提案は、設計面だけではありませんでした。
それは、Sさんが要望した以上の“住まい方”の提案。  例えば、Sさんの趣味である日本人形作りのためのアトリエは、
あるべきところに作業机を置き、収納を配し、
光が回るように設計されています。
また、北欧家具をレイアウトしたリビング・ダイニング。
久住さんからの提案で、世界的に有名な家具デザイナー、
ハンス・J・ウェグナーのエルボーチェアをダイニングに据え、
さらにリビングには体全体を優しく包むような安心感のあるウィングチェア。
そこに座り、本を読んだり中庭を眺めたりする時間が好きというSさんは、
室内に極力、物を置かず、優しい光の中で流れる時間を心から楽しんでいるそうです。
建築家と施主の価値観が合致すれば、
これほどまでに快適な暮らしが実現するのかと、改めて実感させられます。

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ハンス・J・ウェグナーのエルボーチェアをはじめ、
北欧家具でまとめられたリビング・ダイニングが優しい空間を演出している。

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縦方向の雨どいがないため、見た目にも美しい。
これぞシンプルで、かつモダンな設計の真骨頂。

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雨どいに20mm間隔で開けた穴。雨が降ると、
細い糸が垂れ下がるように美しく雨が滴るという計算。

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ダイニングのペンダントライトは暖色の白熱灯。
食事を美味しそうに魅せるだけでなく、気持ちを優しくさせてくれる。

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日本人形作りが趣味というSさんのためのアトリエ。
手が汚れても開けられるようにと、収納は押すだけで開く。

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水周りも必要最低限の設備でOKなのはシンプルなライフスタイルを考えた結果。

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リビングから見る玄関(右)とアトリエ(左)。
壁一枚隔たせるだけで、独立した、集中できる環境を実現した。

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光の当たり方によっては、
リビングから中庭が浮かび上がるように美しく眺められる。

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和室の床の間には、床柱に見立てたこぶしの木。
北側からの柔らかい光によって、落ち着きのある空間を演出している。

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北棟と南棟をつなぐ廊下。
左手の壁一面は収納になっており、
物を見せたくないという
Sさんの要望に応えている。

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南棟2Fの寝室。朝は南側の小窓から朝日が、
日中は北側の大きな窓から柔らかな光が差し込む。

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玄関にも大きめの窓を配し、
とかく暗くなりがちな場所でも「光との共生」が意識されている。


島本邸平面図

平面図
1玄関
2リビングダイニング
3アトリエ
4クローゼット
5WC
6洗面
7浴室
8キッチン
9クローゼット・納戸
10和室
11階段下収納
12寝室

Sさんの夢を叶えた建築家/建築家・久住高弘
kusumi
設計コンセプト
「人に優しい光の中で。暮らしの中で大切な要素の一つが『光』であると考えている。
午前中から日没までは大きな窓から太陽光(白色系)を取り入れ覚醒、
日没後は白熱灯(暖色系)の光量を制御しながら
睡眠リズムへ移行することで生体リズムが整えられるのである。
白熱灯(暖色光)を調光することで、シーンに合わせた心地よい光は、
食卓のご馳走をより美味しく、人の表情を豊かにし、住宅空間を優しく演出する。
周辺の視線を気にせず大きな窓から太陽光を取り入れるために隣地周辺環境調査は入念に行った。
また中庭、スクリーンも重要な役割を果たしている。北欧の家具と照明が優しい空間を演出する」

建築データ
■構造
木造
■工法
在来軸組工法
■敷地面積
198.38㎡(約60.01坪)
■延床面積
合計 114.61㎡(約34.66坪)
1階 93.04㎡(約28.14坪)
2階 21.57㎡(約6.52坪)
■スケジュール
設計期間 2011年7月~2011年12月
工事期間 2011年12月~2012年5月
■設計監理
久住建築設計事務所
■施工
司工務店


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