建てようネット[徳島]で建てた家

建築家と素敵な家づくり

祝 123棟目 K邸『Zigzag』


祝 123棟目 建てようネットで建てた家

阿波市・K邸

Zigzag

建築家 開達也+島出建築事務所

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建物の東側、南側と2箇所にあるテラスは、ジグザグが故の特徴的な三角形に。南から北に向かうにつれて屋根も流れるようになっているのも特徴。一見するとシンプルな造りのように思えるが、よく見ると「中は一体、どうなっているんだろう?」という興味をそそられる。

建物の東側、南側と2箇所にあるテラスは、ジグザグが故の特徴的な三角形に。南から北に向かうにつれて屋根も流れるようになっているのも特徴。一見するとシンプルな造りのように思えるが、よく見ると「中は一体、どうなっているんだろう?」という興味をそそられる。

 

 

見た目はシンプル、だけど室内はジグザグ。その面白さだけでなく、便利な動線も追求した「Zigzag」

 

 

施主と建築家の間でクッションになるのが『建てようネット』の魅力のひとつ

  「他の誰もが考えつかないような、個性的な家が理想でした」というKさんにとって、建築家への依頼というのは至極、当然の流れのように思えます。しかし現実は、コストが高くなる傾向にあることなどからその夢が叶わないことの方が多いかもしれません。Kさんも同様に、理想と現実との間で揺れ動き、当初は現実路線としてハウスメーカーの展示場を中心に見て回ったそう。

 「コストと同時に、建築家の先生の事務所に直接、お願いするということの敷居が高いように感じてしまって。それが、『建てようネット』が建築家との間で仲介してくれるというシステムだと知って、“話だけでも聞いてみようかな?”“もし理想通りにいかなくても断りやすいかな?”と。そう思ったら、気軽に『あわわ』のビルに向かっていました(笑)」(ご主人)。

特徴的なジグザグは、緻密に動線を考えた上での賜物

  「Zigzag」という名前から、また間取り図を見てもお分かりの通り、その造りは特徴的です。家族の個室を備えた方形の建物に、斜め方向からLDKが突き刺さっているようにも思える設計。一見、奇をてらっただけのように感じられますが、もちろんそんなワケはありません。

 「奥様の頭の中に、すごく具体的に動線のイメージがあったんです。ご自分だけでなく、お子さん、ご主人・・・と、家族全員の。そのイメージを形にする上で、キッチンはここ、リビングはここ、居室はここ・・・という風にポンポンポンと置いていくと、自然とこの形になったんです。だから、結果的に個性的な造りになったかもしれませんが、プロセスとしては理路整然としているんですよ」(開さん)。

 外に対して開ける空間、家族が集ってくつろぐ空間、一人ひとりのプライベートな空間というようにゾーンを3つに分け、それぞれのゾーンを隔てるように一本線を引いたところ、“ジグザグ”の面白い形が出来ました。きちんと順序立てて考えられているために、具体的な動線のイメージがあったという奥様も、設計の意図を理解するのが早かったそうです。

 

上下にもジグザグ? その心地良さが、家族が集まる要因に

 ひとつだけ、ご家族の理想とは違うようになった点があります。それが、「ワンルームっぽく、広がりとつながりを感じられる家にしたい」というものでした。しかしその概念は、プライベートなゾーンを作った時点で別の案へと移行しました。

 「話を進めていくうちに、子どもたちが成長したら、やっぱりプライベートを大事にしたくなるだろう、と思うようになって。開さんに相談すると、個室をつくる代わりに、家族が自然と集まるようなリビングを提案してくれました」(奥様)。

 その提案は、開放的に外の自然を見渡すダイニングと、室内に段差を設けたリビングから見て取れます。言わば、上下にもジグザグを作ったのです。特に目が行くリビングは、幼い子どもたちがぐるぐると駆け回って遊んだり、階段の途中で座ってくつろいだり、上段のソファに座ってテレビを観たりするなど、様々な使い方が可能となり、奥様の希望通りの、“常に家族がそこにいる”という時間が流れるようになりました。子どもたちが成長し、家族はそのライフスタイルを変えながらも、キッチンからその光景を見守る奥様にとっての幸せの時間は続いてゆくのでしょう。

ダイニングからリビングを見る。“家族が集まる”ことを目的としたレベル差のあるリビングだが、同時に、箱型のソファの下に、段差を利用した収納にすることで機能性も確保している。

ダイニングからリビングを見る。“家族が集まる”ことを目的としたレベル差のあるリビングだが、同時に、箱型のソファの下に、段差を利用した収納にすることで機能性も確保している。

戸を閉めることができ、玄関から直接出入りすることも可能。ゲストルームとなる和室は外に開かれており、かつLDKともつながるというファジーな空間。

戸を閉めることができ、玄関から直接出入りすることも可能。ゲストルームとなる和室は外に開かれており、かつLDKともつながるというファジーな空間。

“ジグザグ”な造りだけに、畳敷きの和室にも鋭角な場所が出現。純然たる和室ではない点もまた、「普通じゃなくて面白い」(奥様)という感覚を味わえる。

“ジグザグ”な造りだけに、畳敷きの和室にも鋭角な場所が出現。純然たる和室ではない点もまた、「普通じゃなくて面白い」(奥様)という感覚を味わえる。

和室からダイニングを見る。ダイニングの窓の外には田畑、山々という自然の風景が広がっており、和室の縁に座ってくつろぐという楽しみ方もできる。

和室からダイニングを見る。ダイニングの窓の外には田畑、山々という自然の風景が広がっており、和室の縁に座ってくつろぐという楽しみ方もできる。

正面が洗面台、右手にトイレ。水回りのスペースは壁面がガルバリウム鋼板となっており、“ジグザグ”を演出する壁が内壁になったり外壁になったりする視覚的な面白さも。

正面が洗面台、右手にトイレ。水回りのスペースは壁面がガルバリウム鋼板となっており、“ジグザグ”を演出する壁が内壁になったり外壁になったりする視覚的な面白さも。

奥へ進むとプライベートの個室空間。室内に収納が少ない設計だが、個室スペースの前がフリーに使える空間に。将来的には収納を作り付ける予定だとか。

奥へ進むとプライベートの個室空間。室内に収納が少ない設計だが、個室スペースの前がフリーに使える空間に。将来的には収納を作り付ける予定だとか。

リビングの上段からは、ダイニングキッチンを見下ろす形に。天井は、一番高いところ(南側)で3mほどあるため、圧迫を感じることなく快適に過ごすことができる。

リビングの上段からは、ダイニングキッチンを見下ろす形に。天井は、一番高いところ(南側)で3mほどあるため、圧迫を感じることなく快適に過ごすことができる。

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奥の入口は洗濯室で、勝手口によって外からの直接の行き来が可能。「野球をやっている長男が汚れて帰ってきてもすぐにお風呂に入れるように」と、家族全員の動線が考えられている。

奥の入口は洗濯室で、勝手口によって外からの直接の行き来が可能。「野球をやっている長男が汚れて帰ってきてもすぐにお風呂に入れるように」と、家族全員の動線が考えられている。

 

Kさんの夢を叶えた建築家/建築家・開達也

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設計コンセプト

「LDK、個室、水廻り、ゲストルームと、4つの要素に分け、それぞれの境界線 をジグザグと一筆書きの線を引くように1枚の壁で仕切る。この1枚のジグザグ壁は、外壁になったり内壁になったりしながら、開口部と隙 間がそれぞれの空間と外部をつなぎ、開放しながら包み込むような落ち着きのあ る空間の両方を持った壁になっています」

建築データ

■家族構成

施主(34歳)、妻(37歳)、子供3人(12歳、7歳、2歳)

■構造

木造

■工法

在来工法

■敷地面積

264.4㎡(約80坪)

■延床面積

合計 106.2㎡(約32坪)

1階 106.2㎡(約32坪)

■スケジュール

設計期間 2012年7月~2013年7月

工事期間 2013年7月~2014年2月

■設計監理

開建築設計事務所

■施工

島出建築事務所

12月号平面図画像

K邸間取り

1 ポーチ

2 玄関

3 ゲストルーム

4 食品庫

5 キッチン

6 ダイニング

7 リビング

8 寝室

9 個室

10 フリースペース

11 WC

12 洗濯室

13 脱衣室

14 浴室

15 ホール

16 テラス