建築家と素敵な家づくり
建てようネット[徳島]の実績
建築家決定216件
完成物件157棟(新築123棟、リフォーム23棟、店舗7棟、店舗兼住宅4棟)
(2016年3月31日現在)
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「忍者屋敷のような家に住みたい」。「はぁ?」。
最初の顔合わせで施主が放った一言は、中川さんの創作意欲を揺さぶった。「面白いことを言う人だなと。とにかく、住まいに意外性とワクワク感を望んでいると感じました。もう一つ印象に残ったのが、結婚前に二人が通っていた居酒屋のような雰囲気で過ごしたいという要望。この2つの要素を結びつければ、面白い家ができるなって」。中川さんが家づくりのコンセプトに据えたのが、土間を活かしたユニークな導線。ダイニングキッチンを中心に土間を周遊させることで、玄関、キッチン、パントリー、庭の通路などを一つに結んだ。「キッチンから靴を履いたままゴミを出したり、お風呂場や物干場へと移動したり。土間をうまく組み込むことで、和のデザイン性と、生活面での機能性を両立させました」と中川さん。
キッチンには、桜の無垢材によるビッグ・ワークテーブルを設置。向かいの掘りごたつに座れば、キッチンに立つ奥さまと同じ目線で会話を楽しむことができる。
「主人がこの場所から、なかなか動こうとしなくて。よっぽど居心地がいいんでしょうね」と奥さまは笑う。
敷地の南側には、和風の坪庭を設置。大きなウッドデッキが内と外をつなぐ中間領域となり、リビングとダイニングの開放感を飛躍的に高めている。
「リビングや和室だけでなく、キッチンに立っている時も庭の風景を楽しむことができるんです。その心地良さは、とても分譲地の一角に建てた住まいとは思えません」とご夫婦も大満足の様子。外部の環境を暮らしと一体化させる家づくりは、中川さんの得意分野でもある。
2階には、主寝室と2つの子ども部屋を配置。南側に設けたウォークスルークローゼットを抜けると、2畳半ほどの隠し部屋が出現する。実は、ここがご主人の書斎。部屋の上部にはロフト空間が設けられ、ハシゴを登るとご主人の趣味の空間が広がっているのだとか。
「忍者屋敷というお題を、こんな形で叶えてくれた中川さんには本当に感謝しています。僕たちはあまり前に出るタイプではないので、いつもグイグイと引っ張ってくれて頼もしかったです」とご主人。忍者屋敷と居心地の良い居酒屋。一見、何のつながりもない2つのキーワードは、建築家というフィルターを通じ、家族を笑顔で包むたった一つの解となった。
Kさんの夢を叶えた建築家
[建築家]中川俊博
【プロフィール】
1956年生まれ、血液型A型、山羊座。九州産業大学芸術学部デザイン科卒。しこくデザインを経て独立。東新町アーケードやボードウォークなど街づくりにかかわる仕事も多い。一級建築士。
設計コンセプト
「ご夫婦が恋愛時代、よく利用した居酒屋のような居心地があり、他にはない楽しい忍者屋敷のような家を創りたいとの希望があり、それを現代住宅にどうやって活かすかを考え計画した住宅。最終的には、キッチンまでは土間空間とし、掘りごたつ式のダイニングカウンターと合体させ、ユニークなダイニングキッチンを中心とした現代和風の居心地の良い住宅になったと思う。外観は、周囲の明るいパステル調の住宅とは異なる黒を基調としているが、植栽や板塀などにより、周辺環境に調和させる配慮をしている」
建築データ
■家族構成 施主、妻、長男
■構造 木造2階建て
■工法 在来工法
■敷地面積 199.25㎡(約60.38坪)
■延床面積 合計149.06㎡(約45.17坪)/1階96.06㎡(約29.11坪)、2階53.00㎡(約16.06坪)
■スケジュール 設計期間2013年3月~2013年10月
施工期間2013年11月~2014年6月
■設計・監理 中川建築デザイン室
■施工 島出建築事務所
[K邸平面図]
1. 玄関
2. W.C.
3. BATH
4. 坪庭
5. 脱衣所
6. W.R
7. 土間
8. D.K
9. 収納
10. 濡縁
11. LIVING
12. 和室
13. 子供室
14. ホール
15. 書斎
16. W.I.C.
17. 主寝室
18. LOFT